夏の罪
nonya
蝉の声痛すぎて
ロックのような雑音で
上書
罪の汗流したくて
気障ったらしいクーラーを
停止
脳味噌痺れ切って
言葉の切れっ端が散乱するも
放置
胸の奥乾き切って
何気なく口に含んだ
攻撃力を失くした炭酸に
みっともなく噎せ返り
苦笑
*
傷つけたのは僕ですか?
ぶっ壊したのは僕ですか?
台無しにしたのは僕ですか?
悪いのは僕なんですか?
泣いたのは貴女ですか?
恨んだのは貴女ですか?
立ち直れないのは貴女ですか?
悪くないのは貴女なんですか?
汗が流れ落ちる
しょっぱいけど涙ではない
そんな贅沢なものではない
罪は流れ落ちない
気持ちよく流れ落ちてはくれない
のどちんこにまだぶら下がっている
つぶやきそうになった「ゴメン」
温いサイダアで飲み下した
誤魔化したって無駄無駄
夏はまだ終わっていない
*
ロックのような雑音
いきなり鳴り止んで
痛すぎる蝉の声
上書