月風魔伝
zihan
首ったけになれば、
その首は討たれる。
今も昔も世の中は、首だらけ。
首だけでは、痛みは、感じない。
本来、胸の奥にあるべき弦も、
その琴も、疾うに失われ、
地表に突き刺さったままの胴を忘れて、
首共が浮いている、
世界に茜など、
さすものか。
詩は、己の臓物で練り上げた「精神」だ。
以って姿を、首として晒すのみだ。
それには語る口も
聞く耳も必要ない
首だけの詩文は、
所詮は頭脳で生成されたデジタルの産物だ。
誰人にとって、
何も残らない電波だ。
この文字列を眺め、
一瞬でも「心臓」や、
「眼球」を奪われた首たちは、
未だ離れない、
そして
いつか離れる
首だ
かの首には魂が宿らない。
それは、首から離れないと定まれない、
晒された首が何故に動き、
首が、何を語ろうと、
かような首が何を求めようと、売笑を求めようとそれがどのような
挑 戦 と な ろ う と も
ぐるんぐるんと 首だけが 回るならば
―― そんな 首は 捩じれまい? ――
オカルトで、あるのだから。
返し
波動剣雲に翳して如く雷
雨も涙も皆も忘れて
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