情歌(ジョーカ)
……とある蛙
もう何年君のそばで本を読んでいるのだろうか?
もう何年君のそばで寝ているのだろうか?
もう何年君のそばで食事をしているのだろうか?
僕は無口になって黙々と食卓に向かう。
僕は無口になって黙々と箸を動かす。
僕は無口になって黙々と飯を咀嚼する。
もう何年こうした生活を続けているのだろうか。
僕は唖然としているのだ。
僕は呆然としているのだ。
こんなに長い時間君と一緒に過ごせたことに驚いて!
こんなに長い時間君と一緒にいることは
僕を怠惰にしてしまって なんと言うことか
僕を無口にさせてしまった。
あと何年こうして君と過ごせるのだろうか?
あと何年君のそばで寝ていられるのだろうか?
あと何年君のそばで食事をしていられるのだろうか?
僕はそれを思うと唖然としてしまうのだ。
君と一緒にどれだけの時間が与えられているのかを思うと。
僕はそれを思うと呆然としてしまうのだ。
与えられている時間が意外と短いことに気づいてしまって。
ふと一人になったとき
ふと気づいてしまったことに驚いて
涙があふれ出てしまうのだ。
あふれ出た涙が止まらなくなってしまうのだ。