セコイア
kauzak

それは樹齢数千年の老木のように
ごつごつと皺くちゃな
堅い表皮を持っている

アルミニウムの廃物で作られた
それは機械でもなく樹木でもなく
しかし天を目指してすっと立っている

その足元で耳をすますと
低くブーンと自ら小さな音を発している

木に巣を作る蜂の羽音か
機械仕掛けの地軸のモーターの唸りか

クスノキのカンファーの香りと青い空と
工場のヒマシ油の匂いと埃っぽい空気が
浮かんでは消えていった


自由詩 セコイア Copyright kauzak 2009-07-24 23:42:33
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