やけ
熊野とろろ


経験し
若くして
信用し
信用した
先が
つまり
此処じゃない
でしょうか


この国道の
午後二時ごろの空は
いつも曖昧に青白い
夜明けの空が
好きな僕は
平坦な一日の
虚脱した
親のない子の時間に
あきれ返った声を出す
二度目の恋でした

サンダンス、銃を放て
火花を散らせ
平日の原野
まるで腹違いのように
まるで腹違いのように
たまらない眠気
本能が時間を不平等にしている

裏切りの奥は
おそらく
あなたには
見えないでしょう
信用し
信用した
先が
あなたがいる
此処じゃないでしょうか

無価値なものが放つ
不可思議な輝きに
片目をやられる
言葉はわからない
あなただけの
想像した世界が
加速していくだけだ

二十五時
ほら、時間だよ
舟を出さなくては
光る点と点と点
あれが灯台だよ

からから
からから

どこかで鳴っているな




自由詩 やけ Copyright 熊野とろろ 2009-07-24 04:19:43
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