夏をかう
ことこ
通りゃんせ、
通りゃんせ、と
いくつもの輪くぐりが待ち構える
手前の
軒先で降りしきる雨粒に濡れてから
久しい
地上を
すべらかに滑る
つめたい乗り物も
ときおり
思い出したかのように降る
なまぬるい夕立も
すこしずつ
削ぎ落とされてゆく
ものだから
((ぱたぱたと
((ひらいては閉じる花火を
((追って、
どこまでも、ねむりの底へともぐってゆけば、肩口にひろがるうみの、うちがわからあふれてやまないこどうに、いまでも、たどりつける気がするから、夜光性のくらげにつれられて、乱反射しながら、みをすぼめたり、ふくらませたり、したりして、ふかくふかく、ひかりの届かないところまで、たどりつくために、できるだけ息をとめていられるようにって、できるだけ水面からとおざかれるようにって、それだけをただ、ねがっていた、はずなのに、
やわらかい夜空は))
たやすく))
なにもかも呑み込んで))
しまって))
しまいこんで※
浴衣の帯の締め付ける
すこやかさに支えられて
綿菓子だけでは
すこし
手持ちぶさただから
嫌いだった
林檎飴も
買ってみたりする
そんな夏がきました