フルーツ
竜門勇気

自分自身が
何も為せないと
気づいて
それから沢山詩を書いてみた
万が一俺に才能が有ったら
こりゃえれーことだと

いくら書いても
何も変わらない
一日に十編の詩を
三年書いた
腹の中で
くすぶってる
めでたい劣等感を絞る日々

気がつけば
人に話す愚痴すらない
何もかも詩にして
捨てるように
書き散らしてしまった
未熟でお粗末な
ただの排泄物

今読み返しても
何に腹立ててたのかすら
何に憧れてたのかすら
分からない
その数は
残った詩の数は千五百編を越えていた

時々何も思えない夜は
読み返してみたりする
ふざけた自分がうらやましく思えたら
病気になってるってこと

俺の脳からは
ちゃんと枝も葉も生えて
実もなった
誰も口にはしないけど
目にすることもないけど


自由詩 フルーツ Copyright 竜門勇気 2009-07-23 04:20:11
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