狂気
草野大悟

血が皆既日食のようにやさしく恥じらう今日
思いっきり、おれら
狂ってみようか

そう言えば、狂児という名の詩人がいたよナ
それは、ほとんど、だれにも相手にされない狂気ではあったケレド
奴は、確実に、そう確実という危うさを
ニシキノミハタみたくかざし、狂気してたよ

どこに行こうかと考えた
どこを走ろうかとも考えた
答なんか求めないままに
狂気してた

狂気は
狂気を連鎖し、犯し
ぽろぽろと狂気を産み落とす

魚みたいだね

魚みたい
な、夜が
これからも
イルカみたく
あればいいのに

狂気を眺めてて
そう思う
強く強くそう思う


自由詩 狂気 Copyright 草野大悟 2009-07-22 23:36:46
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