爪の生えた石ひとつ
瑠王


両の耳から光素エーテルをそそぎ
彩なす色虫が交響する
雨の染む夜 騒がす静か
爪の生えた石ひとつ

白電燈のプラシーボ
唖として見つめるアルビーノ
花鳥の使い さよならいつか
爪の生えた石ひとつ

そこはかとなく冷たい夏の
銀河の淵で眠りを待つ
見えない星と 艶めく林檎
爪の生えた石ひとつ


自由詩 爪の生えた石ひとつ Copyright 瑠王 2009-07-21 23:32:34
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