修羅道
zihan
数寄な者から順不同に死ぬることに涙をする
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真率な文字列の内服をした
染み渡るものではなく
其のままの死には
至らないものであった
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難儀が過ぎ 自己は死んだ
死んでも尚も自他を殺したいようだ
此れを呪詛を絡め乍に考え尽くしたい
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殺気にはどこまで覚束ないものだろうか
殺される都度に殺気に鋭敏になるものであり
殺されるほどに身勝手に殺す者を殺したくなるものだ
心とてなく機械的に殺しを行ずる者があった
――それが、私だ。
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人は二極を特有する
此の者が予言を拝借し人を惑わす場合
そして自己が特有をする男女の二極の性の操作に覚束ない場合
性が特有されない無性の修羅は
一顧だにせず流動をする
其の性を
討つであろう
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実際に其れを試みると先ずは己自身が究極に殺害をされ
自己の特有する様々の二極が自己から剥落をした以降は
何を殺すのも容易だった
――それが、神であっても。
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何故殺すのかと言えば万象との間合いである
殺し殺されるほどにそれは短縮されるものだ
――万象の閲覧者とは、殺戮者を意味していた。
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人体は宇宙に対応すると同時に地理に対応をする
詫びのない殺意は日本人の骨を慮ってのものである
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悪意の無い殺意ほど究極のものはない
それは愛とも呼称をされるべき
ものである
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殺しは死に直結し饒舌な詩など絶無である
文字列など塵芥と化せしめ
その灰を内服し
殺しを
行ずる
のみで
ある