隔離病棟/続き
遊佐


白に全てが溶け込んで行く部屋に僕は住んでます
光も闇も無い、時間だけが全てを支配するこの小さな世界で僕は真理を学ぶ
何が正しくて、何が間違いであるかをではなく
何に目を向けて生きて行けば良いのかを、何に目を瞑れば良いのかを

全てが二つに歪んで映る僕の目には、
いつも二つの愛と、二つの自由と、二つの平和が重なり合って映るので、正しい答えを導き出す事が出来ません。
だから僕は此処で、彼に学ぶのです
正しい生き方を。


君が僕を何故笑うのかさえも僕には解らない不完全な僕は愛だとか、自由だとかを欲しがってはならないのでしょうが
二つに重なって見える平和が、一つになって欲しいと
それだけは願っても良いのではないかと思うのです
今は歪んで映る君の不気味な笑顔も
いつか、この窓の外の風景に重なるように祈りたい
この部屋の白に
君が溶け込んでしまわないように祈りたい

全てが時間の中に消えてしまわないように
全てが一つの価値観の中に溶けてしまわないように祈ります。

いつか扉の向こう側へと踏み出して行けるように
僕は戦うのです。




自由詩 隔離病棟/続き Copyright 遊佐 2009-07-18 19:38:23
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