独言
ウデラコウ

薄い夜に 小さな雨音を聞いて 静かに目をあける
いつの間にか 日付は変わっていて 手のひらのなかの液晶画面には顔文字がよっつ。
等間隔に並んでいて

僕は目をこすりながら 何それ とだけ返すとまた
静かに瞳を閉じた

遠のいてゆく雨音は 止みそうなのかそれとも ただ僕が意識の底に向かって落ち始めたのか
判断はつかなかったけど

さっきまで考えていた 君とずっといられる100の方法のうち54番目はいったい何だったけ??って思い出してて
1から順番に試したら一体 何番目で君と離れ離れにならないですむんだろうと 酷く真面目に考えた

結局のところ 僕はただ 君のそばにいたくて
ほんとうに 願うのは それだけで

美術館とか水族館とかガンダムとか
そういうのが見たいって いうけど それは
君と一緒に 居たいがために いうわがままであって

なんの約束もなしに 君がずっと 僕のそばにいてくれるのなら
僕はなにも 約束なんていらないんだよ

君のにおいと気配が まだかすかに残る 部屋の隅で
僕は一人うずくまって

願いが かなうなら どうか
すぐに 僕と 君の 距離を ゼロにして
雨も雲も夜も闇も光も 全部飛び越えて
君の目の前に 僕を連れていって

それだけで 僕の中の迷いは 全て 消えてゆくから

君のそばにいて 君と生きて


最期まで その手を 握っていたい だけなんだ




自由詩 独言 Copyright ウデラコウ 2009-07-17 11:55:48
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