自殺願望
AKiHiCo
転がり滑り落ちる悲しみ空蝉
耳鳴りが音階と為って脳を支配する
狭い部屋に鍵を掛けて
目蓋を閉ざす深夜に
飛び交う金色の鱗粉
睫に落ちて悪夢を垂らす
苦い蜜を掬って
嗚呼、此処は夢か現か
境界線は最早消え去って
臨界で彷徨う蝶
糸を垂らして
何所でも良いのが答え
涙さえ枯れた眸に移る光景は惨劇
心に剣を刺されゆっくり腐敗してゆく
嗚呼、一瞬で見える三途が
冷水が傷口に沁みて込み上げる
境界で舞い踊る螢
残してテールライト
必要とされていなかった
――それが答えならば
何の為に生を受けたのだろう
終わらない旋律で
捲し上げて