名前のない
健
明日が来るとみんなが楽しそう
新しい昨日を見付けて思い思いに名前をつける
眠らない人たちはそれを遠くから眺め
捨てられた言葉たちを静かに記録していく
森の中に埋め込まれた陽の光が
朝の影に隠れて呼吸を始める頃
今日に目を覚ました彼らが
いつかの交差点ですれ違い
忘れられたすべての挨拶たちが
誰にも気付かれないように 新しい言葉を交わす
誰もいない場所を選んだ風が泣く
名前のない今 この瞬間に
自由詩
名前のない
Copyright
健
2009-07-14 19:44:55