さするひと
恋月 ぴの

大きめなバッグにぶら下げた薄桃色のバッジが揺れている
ちょっと誇らしそうで
それでいてたわいもない気恥ずかしさも感じられ

膨らみかげんにチェックをいれてしまう

どれくらいのひとが知っているのかな
ピンクリボンのようにセンセーショナルでもないし
控えめな色合いや大きさ気になるところだよね

ぷっくり膨らんだおなかにはありったけの夢が詰まっていて

だんなさまと仲良くしてる証なのにとか
わたしの老後もしっかり支えてねは不謹慎だからと
疲れてはいても席を譲り
買ったばかりのケータイに目を落としながら

これでいいのだ♪

って別の理由で膨らんでしまったおなかをさする



自由詩 さするひと Copyright 恋月 ぴの 2009-07-13 23:31:28
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