声
nonya
少し鼻にかかった柔らかな声が
携帯電話から溢れ出して
飾り気のない長い夜を
暖かな色で満たしていく
他愛ない話の繰り返しよりも
ひとつひとつの言葉よりも
君の声を近くに感じていたい
君のぬくもりに耳を押し当てて
声は風
胸の奥から
想いを込めて解き放たれる風
言葉をのせて
旋律をのせて
感嘆符をのせて
何ものせないで
人の心をさざめかせる
僕が起こした風は
いつまでも君の心を
そよがせているだろうか
君が起こした風は
いつまでも僕の心を
心地良く揺らしている
自由詩
声
Copyright
nonya
2009-07-13 22:12:39