さかみちのまがりかど
吉原 麻
かさをさしながら自転車をこぎだそうとしている男の
ぎこちないひだりてと
ジーンズのひざのうしろあたりが
みょうに
みょうにあたしのきをひいて
その男のかさのいろと
いまのそらのいろがおなじだってことをおもいだした
ずん
と雨のおとがした
うちにかえったら
ビールをふたかんあけて
そのあとには梅酒をのもう
どうせ
ひとりで
二階のへやにあがるかいだんは
おもっていたよりも水たまりが支配していて
ふ
と雨のおとが消えた
きょうで二十二歳
自由詩
さかみちのまがりかど
Copyright
吉原 麻
2004-09-05 21:23:42