光跡をたどる
信天翁
おれは一番好きだ
七夕月の落日が。
日中こき使った交感神経に
安堵のシグナルがともされる気がして。
あれほど隻影に対して威張っていた
湿っぽい風は退散し
あれほど緑蔭に対して謳歌していた
公園の立木がオブジェとなるころ
七夕月のたそがれが囁きかけてくるのだ。
奢り狂っていた
おれのなかの血の声が。
「おまえの四次元に対して
ありがとうを言うんだぞ」
と
囁きかけてくれるのだ。
自由詩
光跡をたどる
Copyright
信天翁
2009-07-12 22:32:44
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