気のせい
mad.rabby

あ、目にゴミが入った。
擦っても擦ってもとれなくて、違和感がずっと消えない。
涙を流しても余計に前が見えなくなるばっかりで。
右目で左目に入ったゴミを観察しようと努力していたけど、いずれなにかが切れて右目はだらんと裏返った。

ゴミにしか思えないもの
ゴミにしか思えないもの
そんなの

必死に生きる方法を模索したけど、結局つまらないな答えに辿り着くばっかりで。
あみだくじ、何番を選んでもハズレ。
そんなの詐欺だ。

ゴミにしか思えないもの

機能しなくなったものを飾っておく趣味はある?
それともなくして変な目で見られて、嫌に優しくされるほうがいい?

どっちでもいいや
ゴミにしか思えないもの

こんな風にすればまだ使えるんだ。
リサイクル?エコロジーですね。
あ、それとも趣味?はたまたエゴ?

ゴミにしか見えないもの
ゴミにしか思えないもの
捨てちゃえ

君の夢はいつかきっと叶うよ。
努力を惜しむなライト兄弟。
見て、空を飛んでいる!
それはついさっきまでは少し変わった他人に間違いなかったんだ。

ゴミにしか
ゴミにしか思えなかった

なんだろうこれ?
邪魔だから捨ててしまおう。
今は、一体どこにいったんだろう。

ゴミだった
確かにあの時はゴミだった

夢を買いに行ってみよう。
小銭を片手に宝くじを買いに。
夢を買いに行こう。
そのつもりだったのに、窓口に着くと何故かこんなことを聞いてしまった。
愛はどちらで売っていますか。

ゴミだった
気が付けばゴミだった


必死に目を擦った。擦った。擦った。
うたがった。
流した。涙を。泣いた。泣いた。
擦った。擦った。泣いた。擦った。
目にゴミが入った。
邪魔だ、ゴミが。
ゴミにしか思えないもの
ゴミにしか思えないから
捨てた


それだけなのに、なんだか、すごくかなしい気持ちになったよ。ぼくは。


自由詩 気のせい Copyright mad.rabby 2009-07-12 20:43:20
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