曇り空にうたう日

(きのう)
晴れた日
顔に両手を当てて
指の隙間からあなたを見たら
胸が痛くなった
そっと手のひらを返したら
日差しがキラキラこぼれてた

宝石みたいな言葉なんて
ひとつもくれたことはないけど
ただ隣にいて
同じ時間を共有している
ことが嬉しかった

(きょう)
あなたと会うとき
いつもこれが最後と思う
目の前に広がる黒い雲から目を背けては
ごまかしてきたけれど
あした雨が降ったならば
きっともう おしまい

額に滴る、雨粒と共に
落ちて流れてしまう
思い出の曲もあの景色も
みんなみんな

梅雨のない夏がないように
はじめからこうなるの、分かってた

(あした)
これでよかったの?
問いかけても
あなたの声は聞こえてこない
あしたの空には届かない


自由詩 曇り空にうたう日 Copyright  2009-07-12 00:57:07
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