地上のエデン
遊僕民
遠く
高くそびえる都会が
自らのまく煙と朝靄に溶けて
蜃気楼に見える日があった
どこか浮遊して見えるそれは
リアリティーを失って
地上に堕ちた天国になった
お金も 人も 物も
全てが溢れるほどあって
そこに住まう天使達は
痛みも 悲しみも 笑顔も
全てを捨て去ってしまっていて
憧れたりしなかった
空飛ぶ翼なら欲しいよ
だけどそのために
心を捨て置かなければならないなら
心を抱えたまま僕は歩こう
執着心だけ忘れていれば
ほんのちょっと浮かぶくらいはできる
幸せを受け取る心まで
失いたくはないから
心を抱えたまま僕は歩こう
そしたらそのうちに
天国の方から近づいてくるよ
天地は繋がって 合わさって
地上のエデンの出来上がり
苦しかった日々も灌がれて
地平線の向こう側まで続く幸せが訪れる
遠く
高くそびえる都会が
自らのまく煙と朝靄に溶けて
蜃気楼に見える日があった
それはまだ未完成の天国
感情の放棄が天国へ至る道と勘違い
天国は到達できる目的地じゃない
それはいずれやってくる幸せ
心のレーダーを閉ざしていたら
接近する幸せに気づけない
気づかなかった幸せは受け取れない
でもね
執着心からちょっとシフトしたら
そこは地上のエデン
誰のもとにもやってくる
条件はそれだけ
あとはなにもいらない