露のひかり
服部 剛
決して口にはしなくとも
(愛を生きる)と呟いて
今日という日を過ごしたら
目に映る周囲の人々が
いつも以上に潤わしい
家族の空気を帯びていた
そんな時は決まって
棒っきれの姿で佇む私の前を
(あの風)が吹き抜ける
それぞれの姿の輪郭は
より一層に浮き上がり
一人ひとりの黒影に宿る
珠玉の露が光っていた
自由詩
露のひかり
Copyright
服部 剛
2009-07-09 20:43:26
縦