へのへのもへじノ胃袋
服部 剛
たとえば身に覚えの無いことで
誰かに文句を言われたならば
(すみません)とたった一言呟けば
事物は流れてゆくのです
流れるものは
流れるままに放っておいて
この世のことには
まるで興味が無いかのように
そ知らぬ顔の
私
(
わたくし
)
は
「へのへのもへじ」
の仮面を被った裏側の
本音を開いた口の中
鋭く研いだ二本の牙で
日々与えられる
経験という名の食物を
がりり
と噛み砕いては
喉の奥へと、飲み込みます。
ブラックホールの胃袋へ
自由詩
へのへのもへじノ胃袋
Copyright
服部 剛
2009-07-09 20:19:30
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