answer talker
あすくれかおす


入り口の ない、
壁のような表情をするから
どこから
くすぐるべきか
自らのはらわたを探ってみる


息を、
してないかもしれない
はっと思い
こないだ埋めた
種々に耳をあてがう
顔の左側が
迷惑そうに湿る


夏の  温室の
日射しを教えたい
ぜんぜん楽しくないけれど
全てから熱が飛び出して
全てから水が抜け出して
そのように
熱と水分とが唸る
彼方の身体を知ってみたい


自ら 選んだもの
今日からはベランダのもの
濡れるのも乾くのも
打ちすぎた水が光るのも
その処遇
ベランダにすべてまかせます
眺める景色の代償に


僕たちは
成り立ち
衰える
大きさは
それほど変わらずに
その間に何世代も蝉が生きる
その音を何度も聞いている


雨が 地面を穿てば
うな垂れるように
草花は黙るが
ふたたび背丈を伸ばしはじめる
君たちは教えてくれるか
そのわけを
どういうわけで
あきらめないのか


剪定を終えて
夜 君たちは涼しいか
夜の温室に
用など何もないけれど
今日は夜まで待ってみようか
それぞれの答えを


誰かがいつも呟いている

その音を何度も聞いている









自由詩 answer talker Copyright あすくれかおす 2009-07-07 13:19:08
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