紫斑
月乃助

そとは 篠突く
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨 雨 雨 雨

失うほどに 睦みあう
まほろばの褥は 濡れ落ち

想いの汗をすいこみ
しっとり
格子もようの蔀の 影に
匂いたつ
たち葵の かおり

ひととき 
わたしの 髪をかきあげる
無言しじまを紡ぐ男の かたい腕まくら

涙涙涙涙涙涙涙 涙涙 涙
涙涙涙涙涙涙 涙 涙
落ちる

陰々、 

いたいほど
悦びをふらす 驟雨は 馴染んだ男
別れの逢瀬に けせないほどの
紫斑を乳房に
のこしていった


自由詩 紫斑 Copyright 月乃助 2009-07-06 03:30:11
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