誰かへの歌
番田 

寂しさの夜を歌おう
ものの寂しさにいつも
消えていくその歌はない
君へと捧げるこの歌を
さび付いた工場の跡地から


寂しさの朝を歌うから
寂しさの歌にいつも
何もあらわれるものすらない
君へと捧げるこの歌を
ああガラスでできた水槽で


寂しさに夜を歌おう
歌の楽しさにいつも
あらわれるものすらなかった
窓のオペラハウスを借り切って
ああ夕暮れの見える部屋で


自由詩 誰かへの歌 Copyright 番田  2009-07-06 02:33:19
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