魔女
瑠王

おんなの額の眉間のあたりに

ワルプルギスの夜は訪れ

黒い瞳は熱をおびて

銀食器のように冷たく暗く輝いている

あるいは柱の様な静けさの中には

緊張の糸と欲望の動脈が絡まり

蛇のそれのような狂宴が隠されている

風のような雄叫びをあげて

狂宴がこぼれてしまわぬよう

体中の穴をふさいで

雪解け水のように縫って

近づいてくる

目を反らさぬよう

瞬きさえせずに


自由詩 魔女 Copyright 瑠王 2009-07-02 18:50:15
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