七月
kaeru

青すぎる空が 濃淡もなく
(雲切れひとつあるでもなく)
ただのっぺりと広がっている夏の朝

プラタナスの巨大な葉が繁る
街路樹の陰はしかし小さく(陽が高い)
今はもう打ち水のない広い舗道を延々と

ぼくらは歩いていく 俯向きながら
小さな葉陰を飛び飛びに渡るひとのよう
巨大なビルが斜めに聳える山岳地帯を

ぼくらは歩いていく おはようと
ご機嫌ようと交わすごと(きみたちと)
見上げる夏の葉 空に伸ばす翠の手のひら

ぽっかりと空いた交差点の上の空に
画鋲のように止まって動かない鳥の影
今日の迷路を巡り始めるぼくらを眺めて


自由詩 七月 Copyright kaeru 2009-06-30 18:25:00
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