ポエムになりたい
うめぜき
もしも
僕の声を宝箱の中にしまって置いたなら
時々は空気に触れさせてあげて欲しいんだよ
多分聞くのも嫌になるような
そんな時もきっとあるのだと思うけれど
もしも
僕の指先の温度をカバンの隅に渦巻かせたままなら
カバンをひっくり返して夏の風に撒いてください
それは僕の指を離れて
死んでしまいそうなぐらい寂しいから
もしも
もしものことなのだけど
もしも
僕のシルエットを瞼のどこかに棲まわせてくれたなら
それはきっと言葉になりたがっているから
ポエムにしてあげて
僕は洗練されたポエムになって
君に時々読んで欲しいと、思っているよ
もしも、君も僕と同じように
ポエムになりたいと思っているのなら
安心していいよ
君の声や指先の温度や笑顔は
この世界ではずっと響き渡っている
ほら朝になるよ
さあもう起きて
からだ一杯で今日も
笑うと良いんだよ