真夏日
nonya


キラキラしない雫が
後頭部の歪な曲線を
未練がましく伝い落ちて
塩辛い影を作っている

無頼な陽射しと
馴れ馴れしい湿気に
言い返す言葉もなく
帰り道の上をボトボト歩く

いくらハンカチで拭っても
滲み出してしまうのは
厚化粧させた記憶の欠片
いつまで罪人ぶってるんだろ?

焼けたコンクリートの上で
信号機がギブアップすると
人も車も溶けて流れ出す
焦げた思考だけ置き去りにして

逃げ込んだカフェの隅っこで
アイスカフェラテ一杯の執行猶予
グラスに汗をかかせながら
途方もなく遠い目をしてみる

僕の夏はもう
とっくの昔に
終わってしまったというのに


自由詩 真夏日 Copyright nonya 2009-06-27 09:10:09
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