面影
within
すれ違う時 ハッとしてしまう
もうあなたが あらわれることはないのに
ほんの少し 面影が似てるだけで
赤の他人を 追いかけてしまう
今でも 泣きたくなる
夏は命の賛歌を歌っているのに
遺影を見ては 僕もいつかは と
心の暗がりを見つめ 今日を踏みしめる 噛みしめる
こんなにも悲しいものだなんて 思いもしなかったから
すぐに忘れられると高をくくっていた
でもそんなの 無理だったんだ
僕は愛されていたし 愛していた
失うことが こんなにも悲しいなんて
知りたくなかった
いつも僕が行くと お寿司を取ってくれて
味の薄い中華そばを作ってくれた
小児喘息で入院してる時は
介添えをしてくれて
病院の売店で 好きなマンガを買ってくれた
高校入試のときには 面接のイロハを授けてくれた
大学をやめたときも 優しく迎えてくれた
思い返すと これが愛情というものなのだろう
あなたたちのように
深く 深く 人を愛せるようになりたい
愛してくれて ありがとう