「乃月」(なんじのつき)
月乃助


名まえを聞かれると
your moon
そう、答える
乃(なんじ)の月
男たちはその名に感心し
私は好い気になって、
mは胸の柔らかな二つのふくらみ
ooは下の二つの穴、そして、
nが私の一番敏感な突起
そう説明する、
すると、きまって男たちは私をいっそう強く抱きしめる
この国で四人の男にその話をし、
普通の男は、驚き
年老いた男は、喜び
遊び人の男は、笑った
最後の男は、驚きも、喜びも、笑いもせず
You need me for your sake.(英文そのまま)と言った。
大きな体の
仕事をちゃんとする
愛と恋を口にしない
詩も散文も書かない男だったので、私はその男と結婚した。
男に飽きそうになると、子どもが生まれ、
子どもが育つと、愛人ができた。
愛人と別れると、詩を書き始めた。
私の人生は、
大概、そんなふうに過ぎていく。



自由詩 「乃月」(なんじのつき) Copyright 月乃助 2009-06-26 08:30:53
notebook Home