夏の陰
within
朝、晴れた日に空き缶を洗っていると
庭に群生する雑草の命の横溢に圧倒され
水遊びをしながら裸で駆け巡る稚児たちの嬌声に
私の心も浮き立ち
自らの空白を忘れてしまう
先程まで生きていた彼らはどこへいってしまったのか
真空の穴ぐらが彼らの不在を証明しているのに
僕の心は証明の証明を繰り返す
もう彼らがいないことはわかっているのに
その空白が小さくなろうが
そこにいないということから
目を背けることができない
駆け巡る稚児のように無傷であった頃に戻れたなら
僕も路上を裸で走り回るのだろうか
しかしもう彼らが私の面前に現れることはありえない
やけに緑が目に沁みる