銀匙の鏡 
服部 剛

ふいに手にした銀匙スプーンを 
見下ろすと 
逆さの僕が 
こちらを見上げてゐる 

銀匙に映る小さい僕と 
銀匙を持つ大きい僕の 
瞳と瞳の間を 
結ぶ 
透きとほった時管 

( そして僕等は、互いに向かって黙礼をする ) 

銀匙の中の、世界。 
日常といふ名の、夢。 





自由詩 銀匙の鏡  Copyright 服部 剛 2009-06-22 23:44:16
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