あすくれかおす






白雲をシーツに寝付かせカルテには「ただただ青い」と記す看護婦


「お水まだ、青くないね」とはしゃぐ子の満ちてくプールに濡れるくるぶし


ルウプするデイジェイのかけるブルウスが青すぎて祖父がスクリイムする


青色の瞳の王蟲よ分かるわね?真っ赤に怒りもするってことよ


青二才募集と書かれた道場で縄跳びしている美女が見つかる


遺失物届けに「青」と書いた子の青が見つかればいいと思った


「このシュートぶつかり顔に青あざが出来ても泣くなよボールボーイズ」


青空に空車に空き缶空き列車すごいなんにも満ち足りてない


鳥の巣の真下を囲って避けさせる書籍部の青木(二年目)が好き


吹き上がり全校舎中のスカートが青空をめぐるモンロー日和


いつもなら青木(二年目)がいるレジに岩波文庫似の堅物が


もし君に欲情したときゃトマホークタイプの青をぶちこんでくれ


フープドッグ夏になったよ青い輪をどこまでも投げる果てしなくゆけ


「なんでいろかわらないの」と青に青ひたすら足してる娘の気持ち


聖書(bible)の隙間に挟んだ青色のリトマス紙だけが分かる現在


青びれたテトラポットは悲しくて悲しくて何もせき止められず


手に入る青、手放せない青、靴のソールから失われる青


相席の兎の家族に見つめられ青菜のサラダを食堂車にて


耳たぶに青と落書きされていた犯人が誰か分からなかった


「輪廻ってぐるぐるまわることじゃないの?」青の水飴を輪廻させつつ


青くてもいいし気がかりごとなら食べる、ベルが鳴るまで遊ぼうよ


ゲシュタルト崩壊せずによくぞたどり着きましたね青青青よ


格子窓さらさら溶け出す銀河の根ごらん息して笑んで青くて


酔うたびに丸い歯車を拾ってる青梅街道の夜のからくり


青空に切なくなるのはまっぴらと黄昏れてるなら五十歩百歩


ひとりなら真夜中の青の歓びを噛みしめて進め音を立てずに










短歌Copyright あすくれかおす 2009-06-22 22:50:56
notebook Home 戻る