紅茶をのこして
吉岡ペペロ
紅茶をのこしてきみは消えた
兄妹のふりをして空の下を歩いた
きみの話に同情して
フロントガラスを殴った
そのあとはじめてホテルに行った
もう何年もそうしている兄妹のように
ふかい疼きにふたりで震えた
紅茶を飲ませてくれた部屋は
それだけではなくなった
きみのあそこに舌を這わせると
ラプサンスーチョンの味がした
ふたりでなにをしたらいいのか
気持ちを通じあってから分からなくなった
それはセックスではない
セックスして探そうとした
ふたりの時間が可哀相だ
そう言われても何も言えなかった
紅茶をのこしてきみは消えた