道端
佐藤真夏

置かれた環境や
色の溢れる胸の内は
適度な重力を宿し
他人の腹の上をのしのし歩く
打ち明けばなしは
互いの腹をぐるぐる回り
僕ら時分を問わず
許し合うことを知る

親しい歩行が生む
この惑星がびくりともしない振動で
これまでの均衡は崩れ
慌てふためいたふたり、その壊れ様 は
どこか天気雨に似て
平凡な日常に虹をかけたがっている

角のタバコ屋を左折 分かっていたのに
曲がり損なった左を惜しんで
次の角で曲がったところで
目的地などとうに忘れている
君はどうですか
前や後ろやあれやこれやを確かめながら
岐路に差し掛かった道端


自由詩 道端 Copyright 佐藤真夏 2009-06-21 19:42:19
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