失くしモノ
衿野果歩
あの人の傘をひらくと
あんまり大きくて笑えた
ジャマじゃないの
と聞くと
あの人は静かに笑った
あの人の傘の中は
しんと静かだった
なんだか安心で
雨なのに
心強くて
それはきっと
幸福と呼べた
あぁ
あたしはいつも
あの人に守られていたんだ
自由詩
失くしモノ
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衿野果歩
2009-06-21 10:05:32
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