女の肩を揉む
ヨルノテガム










 雪の街が歩く
 滑り転んで株価が白む
 女が女学生になって
 子供のような澄んだ顔で
 街の夢案内人になる
 魅入られたのはスリップした男と女の衝突事故ばかりで
 
 ネオンが一度切れて 2秒後にすぐ点く
 耳の中に愛液がたまって抜けなくなって ガサガサ転がって、
 そんなわけないわよって力一杯ひっぱたかれて
 一気に何かは冷めた、そのあと女は耳アカを吸ってくれる

 街の雪が歩く
 8階建てのビルが滑り転ぶ
 車のライトが女の鼻の穴から見えてまぶしくなって
 睨み付けてばかりいる
 7月に乳房に雪は積もり 舌で舐めて溶かす
 アイス菓子関連の株価は暴落、でもすぐ暑くなって
 倍くらい上がっている チクショウ、買っておけばよかったと
 乳首と目が合ってうなずき合う

 街の女の素足で蹴られ
 顔を踏まれると涼しく感じられる、その女が冬用のマフラーを
 編んで渡してくれる
 約6ヶ月遅れて出来上がったのよ
 そんなことがあったけど
 その女の顔がどうも思い出せない
 アイスの棒のような女だった
 ここ数ヶ月、ストッキングの細足を眺めて
 どこか伝センが走っていないか探してばかりいた
 マフラーのお礼に肩車を急にしてヤリたくなり
 女は勢い天井にしこたま頭を打つ

 首と肩をよく揉む日々が続き、街に雪が。














自由詩 女の肩を揉む Copyright ヨルノテガム 2009-06-20 01:32:41
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