切望
ウデラコウ

あなたの叫びが また心をえぐってくのよ
聞こえない叫びが ずっと耳の奥でこだまして

ごめんねって 届かない声で 泣くの

贖罪に人を愛して
自分が愛されることを 恐れる人よ
もう 赦されてもいいはず

あたしがいうのも おかしな話なのだろうけど

空に向かって 謝罪を続ける背中をただ  さするしかできなくて

初めてあなたを 叫んだあの瞬間を
覚えていますか

あたしの心でよければいくらでも えぐりとって
あたしの体でよければいくらでも 傷つけて

だからおねがい もう自分を赦してあげて
あなたとともに 涙を流すわ おねがいよ

えぐりとった個所に あなたの罪を うめこんで
傷つけた 個所に あなたの傷を 擦り合わせて

何もないのよ 何もないから あなたで満たして
偽善じゃなくていいの 醜いなんて言わないから

善を罪と 見紛う人よ
どうか これ以上傷つかないで

いいのよそのまま ひと思いに 絞めてしまえば
あたしの涙に あなたの涙がまざって 誰のかわからなくかるから
そうしたら あたし

あなたの中で 綺麗に笑って いなくなるわ

それも いやだというのなら

どうか愛されることから 逃げないで
お願いだから 勝手に消えていかないで

一人になんてしないから
       恐れないで 掴んでよ
   あたしとあなたが 壊れて 消えちゃう前に
    

      お願いよ     



自由詩 切望 Copyright ウデラコウ 2009-06-19 18:17:20
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