それは鈍く長く
ウデラコウ
君がいない朝の曇天は
なんて気分の悪いものなんだろう
このままずっと君のにおいがかすかに残るふとんにうずくまって
もう一度君があのドアを開けるまで目覚めずにいたいのに
非情にもアラームは鳴り響き
ゆとりの後輩たちは ここぞとばかりに追い打ちをかける
君と一緒にいるときはどんな時間でも瞬く間に過ぎるのに
今日は時計の針も人も空も空気さえも
全てが鈍く 長く 緩慢に 流れて
これなら時の流れさえ掴んでしまいそうで
さっきから時計の針は一周すらしてないのに
お菓子の袋はどんどん積み重なって 仕事は一向に進まなくて
修正テープでも消しゴムでもなんでもいいから
自分の存在を端からゴシゴシ消したくなるよ 君がいないだけで
本当の本当に 弱いんだ 僕
君はわかってるつもりかもしれないけど
それ以上に どうしようもないくらい 弱いんだ
潔く流れようとしない時に沈んで身動きがとれなくて
だけど
君を呼ぶ 勇気もなくて
君の一日に少しでもいいから 僕をねじ込みたくて
だけど
そんなおこがましいこと できそうにもなくて
ただ 鈍く長い 時間に結局今日も とらわれたまま
静かに 君だけを 祈る