夏至祭
石瀬琳々

燃えながら灰のなかから生まれる鳥
    その目にうつる火祭りの夜


名前なき舟ならばただ漂うか
    海に溺れて星があかるい


不確かさそれのみ満ちる雨のごと
    うすい胸にも染みる薔薇こう


六月の火よ焼き尽くせこのこころ
    真昼は今も熱を保って


草いきれ、が絡みついてはなれない
    夕べの意味を奥処おくかに刻む




短歌 夏至祭 Copyright 石瀬琳々 2009-06-18 13:41:46
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薊道