Strawberry honey
月乃助


幸せだったら
誰も詩など書きはしない
一文字でも
書いてしまえば後戻りのできない、
あなたは
詩人のはしくれ
行き場などない
銀河の小さな島宇宙に住まう囚われ人
詩人はだから、いつもそこで涙を流す
次の言の葉を千切り取り、一行を削り落とす
幸せをただ夢想しながら

暮らしの安寧に、万象の美しさに目を向けようと
空しさを見つけてしまう
されば
言葉という消え失せぬ形に、留める苦労を重ねる
ならば、
叫びたかったら、苦しみを
泣きたかったら、悲しみを、
辛さを、文字に変化(へんげ)させ、詩にうたえば良いだけ
誰の顔を気にすることもないはず

詩人は詩から逃げ出せない
詩を書いたその瞬間から、
あなたは、もうこの島の住人だから
他のどんな世でも生きてはいけない

私のいうことがわかったらなら

今すぐ、帰っておいでなさい



自由詩 Strawberry honey Copyright 月乃助 2009-06-18 01:37:16
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