火 目 飛
木立 悟






橋をくぐる橋の向こうに
ひとつおきに壊れた灯があり
ひとつおきに鳥の背を射る


青のなかの金
金のなかの青
朝に昼に 夢をめくり
めくりめくり 剥がれ落ちる


灰が
灰にとまる
うけとる手から
空になる


傷が傷をなぞり 水になり
粗い粒を映している
見えないものの片方が
ゆうるりと灰に現われる


空は重なり
重なりつづく
返しても帰しても
居つづける


濁り水の冠
ひとつひとつの指
祝福され
また さみしくなる


落ちて 落ちて
道の脇に傾く柱
夢は頁から頁へ隠れ
音は夜通し音を追う


灰は昇り 火を巡り
紡がぬ指のはざまから
緑をゆく子の道しるべ
花を追う子の道づれに降る






















自由詩 火 目 飛 Copyright 木立 悟 2009-06-17 19:47:49
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