きみがわらう
ウデラコウ

泣きそうな でも幸せそうな顔で 君が笑う
見たことない その笑顔に 僕は一瞬にして止まって

あぁ だめだ 捕まってしまう

逃げて逃げて     ただ 逃げて
見えない 気づかない ふりをしていたのに
そんな風に笑ったら

僕は 君に とらわれてしまう

全てを持って いとおしいと いうような
その目で その口で その手で その胸で

あぁ 僕に 触れないで お願い
僕が壊れてしまう 作り上げた偽物の僕
完成するまでに20年以上かかってるんだ

あぁ でも 逸らせない 
君から 僕を 離すことができない

身動きがとれなくて
逃げたいのに 逃げ出せなくて

君は 再現シーンのスローモーションみたいに ゆっくり
僕の頭に手を載せて

次には この世のものとは思えない力で 抱きしめるんだ

僕は本当に 全てに困ってしまって
ありあまる 幸福と愛情を どう享受すればいいかわからなくて
ただこぼれ落ちてしまわないように 
君が消えてしまわないように

何も言えず ただ腕を伸ばして

君が笑う それだけで
世界が 七色にはぜて 僕は

万物の真理に触れたような錯覚をおこして

あぁ きっと

この笑顔があれば どんなことだって
一瞬にして飛び越えてしまえるほど

僕は 無敵になれるんだ



自由詩 きみがわらう Copyright ウデラコウ 2009-06-17 18:47:27
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