桐ヶ谷忍さんの「こころの病についての雑感」を読んで
巴 -t7239-

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しばらく前の作品なのですが、今あたしの心の支えになってくれている作品なので感謝を込めて感想を書かせていただきます。とは言ってもほとんどただの自分語りなのでそういうのが嫌いな人は、、、どうしましょう? 読んでもらうのを止めてもらった方が良いのかな。

あたしは今、うつ病です。
なんでこの作品に救われているかと言うとちょっと前に何人かの友達を失ったからです。友達と言ってもmixiのいわゆるマイミクさんと言うやつでして、うつ病が原因なのかあたしの性格が原因なのか微妙なラインなのだけれど、そこにはうつ病に対する考え方の確執が在って、友達とすれ違い同じ病気なのに自分を理解してもらえなくて今も悩んで葛藤して、それで思い出したのが以前 読ませていただいたこの作品で、改めて読んで懐かしいような優しさに触れるような気分にさせてくれるから喪失感が少し和らぐ、そんなところです。
事の発端はうつ病仲間の『うつを理由にしない』と言う流行にあたしが乗り損ねたと言うか、乗れなかったのが原因でしょうか。何故だか知らないけどいつの間にか仲間内で『うつ病は格好悪い』って風潮になってて、あたしはあたしなりに客観的に好不調の波の底辺に居るなぁと思いそのまま淡々と日記に記録し続けてたのだけど、それがどうにも皆が気に入らなかったようで嫌われてしまいました。それなりにアドバイスなのか注意はされたのですけどね。皆が言うにはあたしは普通に見えるのにうつ病に固執して変だおかしい、やる気が無いだけの普通の人にしか見えないと言うのですけど、変だのおかしいだのやる気が無いだの言われる自分のうつ病が治っているなんてとても思えなかっただけです。そんな、あたしを批難する代表格の人は、「私はね、もう治ったよ。この間また手首切ったけど。」とかOD(オーバー・ドーズ)しながら平気で言えちゃう人で、確かにあなたに比べたらあたしは普通の人に近いわね。とか思わずに居られなくて、でも、あたしは最初からリストカットもODもしたことが無いし、その人も含めて皆みたいに「うつ病治ったよ」とか「うつ病治します」なんて気合の入ったことも言えなくて、その点に関しては皆の方が気力があるだけ「普通の人に近いよ」って疎外感を覚えました。だって、あたしにはそんな気力が無いもの。桐ヶ谷さんの文章を引用させてもらうと

>「病は気から」「こころが弱いから」「ただの怠け者」など
>うつ病を知らない人ほど、うつ病患者を絶望に追い詰めます。
>治そうと思っても「ハイ治りました」という訳には行かないし
>そもそも「治そう、治りたい」という気持ちになれないのです。
>あの、筆舌に尽くしがたい、病的な絶望感は、ただただひたすらに
>死にたい、という気持ちに収束されてしまいます。

これかな。ちょっと長めに引用したけど、1.同じうつ病患者でも同病者を平気で追い詰める。2.治す気なんて持てたらすでに治ってる。3.あたしに気力なんて無いし、死にたがりのまま。なんて3点ぐらいにまとめられるかな。
とにかく、あたしは凄い疎外感を受けた上に批難されて嫌われてハブられて捨てられた。まあ、悲劇のヒロイン気取るのはリスカやODと同じぐらいにキライなので、ただ、嫌われたのが辛く、喪失感が残ってる。それと共にやりきれない想い。
そのやりきれない想いがこの作品で好きな部分に繋がる。

>ではうつ病患者にとって、どういう態度をとればよいのか。
>これはあくまで私の体験でしたから、他の患者さんもそうだとは
>限りませんが、
>母が「お前がかわいそうだ」と泣きながら、ある意味私以上に
>苦しんだ末の一言に救われました。
>どういう事かというと、つまり私と苦しみを分かち合ってくれたのです。
>叱咤激励なんて何の役にもたちません。
>ただ、私のことを懸命に回復するよう祈り、一緒に悩み苦しみ
>泣いてくれる・・・。
>これ以上の救いはありませんでした。

あたしの場合は病院の先生だったけど、何か自分の苦しみを認めてもらったことが『嬉しい』とかそんな言葉に表せないほど救いになって、今もまだ死なずに生きている。あたしはうつ病仲間とそれと同じような関係を築きたかったし、実際に築いていたと思う。批難する代表格の人と先ほど言った女性も昔はあたしが辛いときに一緒に泣いてくれたことがあった。あたしも出来る限り皆と苦楽を共にして心から温かい言葉をかけるようにしてきた。けれど『うつ病は格好悪い』って風潮になってから、あたしの日記はただの暗い日記になった。批難されたときに否定はしないで肯定で受け止めたり、褒めれる所は褒めて欲しいと愚痴ったことがある。そのときの答えは甘ったれた根性が気持ち悪いだった。一緒に泣いたり笑ったりしてた時間は一体なんだったのだろうと思う。友達って何なのだろう。自分に切り捨てられる価値しかなかったのがとても哀しかった。
そんなわけで、この作品はあたしの心に空いた穴を埋めてくれる。


散文(批評随筆小説等) 桐ヶ谷忍さんの「こころの病についての雑感」を読んで Copyright 巴 -t7239- 2009-06-17 18:03:23
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