林檎 檸檬 マスカット
瑠王

赤  黄  青



鳩使いは突然僕らを放つ 

バンゲ達と肩を並べて立ち止まり

注意して

また慌てて渡る



白い吊り橋を抜けて

角を曲がれば手慣れたマイホーム達が待ってる

バンゲ達は遂行する

躊躇するけど僕はまた駆けぬける



やがて飛んだり跳ねたりしているうちに

僕は魚になってしまった

どうせいつかは雲に昇るのなら

今は海へかえろうと



そんなパレットの中で出会った君

お互いまだひとつの色々で

水の調和と天から授かった筆先で

いったいどんな色ができたのだったか




楓  銀杏いちょう  ホクシン




眠ることへの恐れ

生を失った色々を美しいだなんて

なんて人間らしい皮肉だろう

手のひらで崩れてしまう宇宙



そして君は隅々まで知っている僕の街

だけど秘密の園がいつも大人の目を盗んでつくられるように

君の子らは雪の下でも人知れず香を焚いている



なんでだろう僕らはどんな駿馬で駆っても泣いてしまう

何処かに足を忘れてしまったから?

幼心の君へ、今も君に名前をつけることができない



音もなく過ぎた砂の一粒一粒を抱擁した房

酸いもあまいも

僕らがテーブルに忘れてきてしまったもの



林檎 檸檬 マスカット



自由詩 林檎 檸檬 マスカット Copyright 瑠王 2009-06-17 14:40:00
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