林檎 檸檬 マスカット
瑠王
赤 黄 青
鳩使いは突然僕らを放つ
バンゲ達と肩を並べて立ち止まり
注意して
また慌てて渡る
白い吊り橋を抜けて
角を曲がれば手慣れたマイホーム達が待ってる
バンゲ達は遂行する
躊躇するけど僕はまた駆けぬける
やがて飛んだり跳ねたりしているうちに
僕は魚になってしまった
どうせいつかは雲に昇るのなら
今は海へかえろうと
そんなパレットの中で出会った君
お互いまだひとつの色々で
水の調和と天から授かった筆先で
いったいどんな色ができたのだったか
楓 銀杏 ホクシン
眠ることへの恐れ
生を失った色々を美しいだなんて
なんて人間らしい皮肉だろう
手のひらで崩れてしまう宇宙
そして君は隅々まで知っている僕の街
だけど秘密の園がいつも大人の目を盗んでつくられるように
君の子らは雪の下でも人知れず香を焚いている
なんでだろう僕らはどんな駿馬で駆っても泣いてしまう
何処かに足を忘れてしまったから?
幼心の君へ、今も君に名前をつけることができない
音もなく過ぎた砂の一粒一粒を抱擁した房
酸いもあまいも
僕らがテーブルに忘れてきてしまったもの
林檎 檸檬 マスカット