世界は一つじゃなくて…
遊佐
世界はきっと一つじゃなくて
百億を優に超える数ほどあって
生まれては消え
生まれては消えを繰り返し
今、この瞬間にも
新たな世界が現れる
それは君だけの世界であり
これは僕だけの世界であり
そんな風に
沢山の世界があって
そして今日に終わりを告げる世界もあれば
今日に始まる世界もあったりする
君と僕の世界が繋がったり、重なったりするのは不可思議で
繋がらない方が数多く、
繋がらない事が自然に近い
でも僕らは
同じ大空に
同じ太陽を観て
同じ月を浮かべて生きている
君の頭の上に満ちた月は、
僕の頭上では欠けているけれど
明日には満ちて空に輝く
だから、そんな時には思うのさ
満月は、いつも誰かさんの頭の上にあり
いつかは僕を照らしにやって来るんだと
そう、世界は一つじゃなくて
君の中にも
僕の中にもあって
でも、世界は一つしかなくて
君の瞳にも
僕の瞳にも同じ姿に映っているんだね
きっと
きっと…。