「シマウマとライオン」
ベンジャミン
群をはなれたライオンと
群にはぐれたシマウマが
サバンナの真ん中で出会った
孤独で飢えたライオンと
恐怖に満たされたシマウマ
見つめあう両者は
お互いを理解することもなく
ライオンは爪を振りかざし
シマウマは尻尾を巻いて逃げた
サバンナの真ん中で出会った
ライオンはシマウマを食べ
シマウマはライオンに食べられた
サバンナの真ん中で
残ったのはライオンの孤独と
もはやシマウマではない肉片
※
はるか遠くで
シマウマの群れが
ライオンを見つめている
沈みゆく太陽の
赤々とした草原の中で
孤独なライオンは
少しだけシマウマになりたいと思った