「シマウマとライオン」
ベンジャミン

群をはなれたライオンと
群にはぐれたシマウマが

サバンナの真ん中で出会った

孤独で飢えたライオンと
恐怖に満たされたシマウマ

見つめあう両者は
お互いを理解することもなく

ライオンは爪を振りかざし
シマウマは尻尾を巻いて逃げた

サバンナの真ん中で出会った

ライオンはシマウマを食べ
シマウマはライオンに食べられた

サバンナの真ん中で

残ったのはライオンの孤独と
もはやシマウマではない肉片

   ※

はるか遠くで
シマウマの群れが
ライオンを見つめている

沈みゆく太陽の
赤々とした草原の中で

孤独なライオンは
少しだけシマウマになりたいと思った


自由詩 「シマウマとライオン」 Copyright ベンジャミン 2009-06-15 22:58:02
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