ペリカン・ボード
umineko

愛も
そこにあるうちに
当たり前になっていく
わかるかい

勇猛な
ペリカンの後ろ 少し離れて
ぞろぞろ歩く人の群れ
小魚が
落ちていればいただきます

世界は
どこまでプラスティックで
馬鹿らしくなって少し笑う
笑顔が素敵、と
よく言われる

薄れていく
アスファルトの上の
標識みたいに
ココロザシは確かにあった
それがどうだ

携帯を取り出す
メールすら消せないから
登録の数ですか
マイミクですか

偏差値
通知表
今の私はどのあたり
あなたの

フィフティ・フィフティ
さよなら
私の孤独

びしゃびしゃと
水をしたためペリカンがゆく
私は
とぼとぼついていく

ごめんね
君の小魚は
別に欲しくはないんだけれど
君が
あんまり胸張って
歩いていくものだから つい

ペリカンが
ちらり、とこちらを振り向いて
なんだか
小さく笑ったような

笑顔が素敵と
よく言われる

そうか
そうだね
  






自由詩 ペリカン・ボード Copyright umineko 2009-06-14 01:58:28
notebook Home 戻る